福岡地方裁判所田川支部 昭和44年(ワ)111号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕本件加害車が被告佐川の所有であつて本件事故当時被告宮本に無償貸与していたことは当事者間に争いがなく、<証拠>によれば本件事故当時被告宮本は板金業を営み、被告佐川から工事の依頼を受け小倉市内のトタン葺工事を請負つたが、被告宮本の車を車検に出したので被告佐川から本件加害車を借受け、被告佐川も前記工事追行上右車を無償で被告宮本に使用させることにしたので被告宮本はこれを借受けて従業員である被告毛利に本件加害車を運転させ従業員を小倉の工事現場へ赴かせる途中本件事故が発生したことが認められるところから被告佐川は被告宮本の本件加害車の利用を通じ自己の利益を図り右貸与も一時的なものでその運行が借受人である被告宮本のため専ら排他的に行われるという特段の事情もなく却つて前記のとおり本件加害車は被告宮本のためであるにせよ間接的には被告佐川のためのものとも解される事情のもとでは貸主である被告佐川の運行支配ならびに運行利益は残存するものというべきであるから被告佐川は自賠法第三条の運行供用者というべく被告宮本も前記のとおり被告佐川から右加害車を借受けこれを使用する権利を有し自己の事業の執行のために用いていたのであるから同被告も右車を直接自己のために運行の用に供している者として自賠法第三条の責任を負う。(松尾俊一)